「ピスタチオ」梨木香歩。

ピスタチオ

ピスタチオ

フリーライターの「棚」が、愛犬の病気をきっかけに何かに導かれるようにアフリカへ向かい……。


最近の梨木さんの作品は、観念的なものを咀嚼するのに時間がかかって四苦八苦する。今回も完全に理解できたとは言いがたいけれど、
大変面白く読めました。
呪術的な要素があって、それを全面的に支持する方向ではないにせよ、何かしら人知が及ばない力は存在するのかもしれない、みたいな。
断片的な色々が、物語の後半どんどんつながっていって、「ピスタチオ」にたどり着いたとき、感慨無量に。
人には持って生まれた役割があって、そのときを待っている日々が「日常」なのかな、と思いました。
アフリカ的生き方も魅力的でした。でもウガンダには一生行くこともないんだろうな。