「チーズと塩と豆と」角田光代,井上荒野, 森絵都,江國香織。

チーズと塩と豆と

チーズと塩と豆と

ヨーロッパを舞台にしたアンソロジー
人間は食べずに生きていくことはできないから、その人の食べてきたものの歴史が人生なのかな。登場した食べ物が必ずしも「おいしそう」だったわけではないけれども、一口一口味わい深かった。
以下メモ。
角田光代「神様の庭」。よかった。何かにつけ親戚一堂集まって食事をする習慣にうんざりして家を出、世界を放浪するように生活してきた女性が主役。震災の時の炊き出しを思いました。
井上荒野「理由」。30歳年上の夫が病に倒れ、さまざまに思い巡らす妻のお話。憤りなのか、後悔なのかやるせない気持ちとこぼれたミネストローネがグジャグジャで切なかった。
森絵都「ブレノワール」。田舎を嫌って都会でシェフになったのに、結局田舎に戻ってきた男。亡くなった母親がしてきた苦労を知る…。これが一番のお気に入り。
江國香織アレンテージョ」。久しぶりに読んだ江國香織作品。「おなじものをたべるということは、意味のあることだ」。